山崎貴監督が語る…映画『アルキメデスの大戦』の狙い 「今の日本を考えることにつながる」

 もうすぐ8月15日。第二次世界大戦の終戦から74年を迎える。「次第に戦争の色が薄れてはいないか」。こう危惧する山崎貴監督の戦争大作「アルキメデスの大戦」が大ヒット公開中だ。戦艦大和建造をテーマに戦時下の日本人の葛藤を浮き彫りにする注目作。「戦争が昔話のような遠い存在となりつつある今。この映画が改めて戦争について考えてもらうきっかけとなれば」と期待を込めた。

 昭和8(1933)年。欧米列強との開戦に備え、日本海軍は極秘計画を進めていた。世界最大の戦艦大和の建造。だが、海軍は一枚岩ではなかった。「今後の戦争は戦艦ではなく航空機が主流になる」と主張する山本五十六少将(舘ひろし)は大和計画を阻止すべく、一人の男に運命を託す。元帝大の天才数学者、櫂直(菅田将暉)。櫂は数学を武器に大和計画を阻もうと動き出すが…。

 「ドラゴン桜」で知られる漫画家、三田紀房氏の同名漫画が原作。「子供の頃から大和や零戦が好きで、ずっと映画で描きたかった題材」と語る山崎監督は、まだ連載中の漫画原作の映画化を決意。独自の解釈を加え脚本を仕上げた。

 2013年、特攻隊員を描いた「永遠の0(ゼロ)」、16年には戦中戦後の日本を石油で立て直そうとした男を描いた「海賊とよばれた男」を製作。

 3年ごとに戦史をテーマに映画化。「戦争の記憶を風化させてはならない」という意気込みで、臨場感あふれるCG映像で戦場場面を蘇らせ、観客に突き付けてきた。

 最後の戦いに挑む大和の姿は圧巻。「現在の最新CGだからこそできた映像。見る人に、昔話ではない戦争を体感してほしい」と語る。

 嶋田少将(橋爪功)ら大和建造推進派と櫂(菅田)たち反対派が、日本の未来を見据え激論する会議の場面は緊迫感に包まれ、見応え十分。

 「当時日本で大和が抱えていた問題を考えることは、実は今の日本という国を考えることにつながるのではないか…」

 来年夏に迫った東京五輪の開閉会式の演出を担当。多忙を極めるが、「次の戦争映画? まだまだ構想がありますよ」と山崎監督は意欲を見せた。(波多野康雅)

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