YOSHIKIMONOで世界制覇にTry!日本の伝統とロック、アニメを融合

 日本の伝統文化である着物が世界中から注目を集めている。ラグビーW杯の開会式では参加国を着物で紹介する粋な演出が話題となり、世界5大ファッション・ウィークの1つ「ファッション・ウィーク東京」では着物ブランド「YOSHIKIMONO」で幕開け。トレンドに敏感な各国のファッショニスタを虜にする同ブランドのデザイナーでX JAPANのリーダー、YOSHIKIは「ロックとともに着物の産業を広げていきたい」と宣言。着物でも“世界制覇”を目指す。

 赤いバラの花びらが舞い散る幻想的な雰囲気の中、「伝統と革新の融合」をコンセプトにした斬新な着物をまとったモデルたちがランウェーを闊歩する。その真ん中には優美にピアノを奏でる新進デザイナーがいた。

 「日本文化の着物には、伝統的なものも冒険的なものもあり、その両方をショーでやらせていただいていて本当にうれしく思っています」

 自身のブランド「YOSHIKIMONO」の新作で観衆をあっと言わせたYOSHIKIは、充実の笑顔を見せた。

 ラグビーW杯の開幕式での雅な着物の演出に続き、世界中のファッション業界人の視線をさらったのはパリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨークと並び、「5大ファッション・ウィーク」と称される東京のオープニング。14日に東京・渋谷ヒカリエで行われたYOSHIKIの着物ショーは、伝統を重んじながらも常識にとらわれない独創的な発想で、42ブランドが参加した一大イベントの幕開けを華々しく飾った。

 ショーでは着物をベアトップドレスのようにアレンジし、振り袖はドレープ風に見立てて和と洋が融合した遊び心あふれる着こなしを提案した。主題歌を手掛けたアニメ「進撃の巨人」や自身が主人公のマーベル・コミック「ブラッド・レッド・ドラゴン」の絵柄をプリント。さらにメタリック調や化学染料を使用していない藍染など素材にもこだわった斬新な31点をお披露目し、「いろんな人種の方に着ていただきたい」と多様な人種のモデルを採用した。

 「ファッション業界では駆け出しの人間がこんな冒険的なことをやっちゃっていいのか迷いました。いろいろ賛否両論巻き起こすと思いましたが、良くも悪くも僕が今後、勉強をさせていただく素材になると思う」とあくまで謙虚だ。

 着物ブランドの立ち上げは自らのルーツがきっかけ。呉服屋の長男として生まれ育ち、「物心ついたときから父も母も着物を着ている環境」というYOSHIKIは1992年以降、米国に拠点を移したことで日本が世界に誇る文化や伝統を強く意識するように。約10年前にブランドを設立し、今回が3年ぶり3度目のコレクション発表となった。

 「日本や世界の若い人たちに刺激を与え、着物に興味を持ってもらえるようなロックンロールやアニメーションの要素を取り入れましたが、かなりの冒険でした」

 日本の代名詞となった“クール・ジャパン”と融和し、外国人でも着こなせる世界の“KIMONO”を表現した。

 「僕が手掛ける着物のショーも、ロックやクラシックのショーも全て来ていただいた方に何らかの刺激を持って帰ってほしい。良くも悪くも何かを考えさせられるショーにしたい」

 表現者として魅せ方にこだわり、頭を激しく振りながら体全体で表現するドラミングや美しく繊細なピアノの演奏など音楽同様に見た人の記憶に深く刻まれる着物で世界に挑むYOSHIKI。

 「挑戦的ではありますが、20、30年前から僕がX JAPANとして日本にロックを広めようと活動してきて徐々に広められたように、ロックというミッションとともに着物産業を広げていきたい。ある種の固定観念を破壊しながら伝統的な着物を作っていけたら」

 柔和な表情の中に強い覚悟をにじませていた。

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