「キャンディ・キャンディ」はずっとそばにいてくれる“親友”

 【アニメソングの女王・堀江美都子伝説】

 その歌との出会いは運命だったのだろう。

 1976年10月から放送が始まった「キャンディ・キャンディ」(テレビ朝日系)はあっという間に大ヒットし、社会現象となった。その主題歌を歌ったのが堀江だ。

 「私、それまではかわいい男の子の話や冒険ものの主題歌が多くて、少女アニメってあまりなかったんですよ。でもお話をいただいて、絵を見たとき、これはキラキラしているなとトキメキました。本当に申し訳ないんですが、そのときは『マーガレット』や楳図かずお先生の漫画を読んでいて『なかよし』は読んでなかったんです…」

 しかし、作曲家の渡辺岳夫氏の言葉に心が震えたという。

 「岳夫先生は『これは100万枚、売れるぞ』ってノリノリだったんです。ストーリーを聞くと、キャンディはいじめられても前向きで、しっかりした子だと。とても元気で明るい子を歌で表現するには、スタッカートで弾むように歌いなさいと教えていただいて」

 バロック調のイントロではじまる曲は、明るいテンポから転調してしっとりを聴かせ、最後には「サヨナラね」と明るくしめくくる。

 「岳夫先生は、この最後の“ね”の部分をうまく歌えたら、100万枚売れるんだとおっしゃって。もう“ね”だけで、何回もテイクを重ねましたよ」

 「キャンディ・キャンディ」はオリコンの「TVマンガ・童謡部門」のチャートで77、78の2年連続で1位を記録し、実数で120万枚を売り上げたという。

 そんな「キャンディ」を重荷に思い、封印しようとした時期があった。

 「親友ばかりほめられて、自分はどうなの? という嫉妬ですね。キャンディじゃなくて、私を認めてほしいって全力で思っていました。20歳、21歳という若さゆえですが深刻でした」

 しかし、大人になっていくにつれて、思いは変わっていく。

 「それまで週に10曲、私の声がテレビで流れていたのに、1曲も流れない時期が来ました。そのときでも私にはキャンディを歌ってほしいとオファーがくる。キャンディはずっと私を支えてくれていたんです。私にとってはキャンディはずっとそばにいてくれる親友なんです」

 ■堀江美都子(ほりえ・みつこ) 声優・女優。1957年3月8日生まれ、62歳。神奈川県出身。66年に「日清ちびっこのどじまん」で準優勝。69年に「紅三四郎」でアニメ歌手としてデビューする。

 以降、「キャンディ・キャンディ」「秘密戦隊ゴレンジャー」などアニメ、特撮ものでヒット曲多数。水木一郎、ささきいさお、大杉久美子とともに「アニメソング四天王」とも呼ばれる。

 2月12日に50周年記念のカバーアルバム「One Voice」とベスト盤「One Girl BEST」(ともに日本コロムビア)を発売。

 2月16日に50周年の記念ライブを「よみうり大手町ホール」で開催。

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