柴咲コウが明かす「35歳の少女」の舞台裏 “10歳の望美”は10歳頃の自分をヒントに

 女優、柴咲コウ(39)が主演する日本テレビ系「35歳の少女」(土曜後10・0)が話題を呼んでいる。10歳で事故に遭い、25年の眠りから覚めた35歳の女性が激変した環境に戸惑いながら、空白の時間を取り戻すように少女から大人へと成長する姿を描く異色作。「10歳に見える」と反響の泣き顔など少女の演技は、自身の10歳の頃の肉声がヒントに。柴咲が自らドラマの舞台裏を明かした。(取材・構成 小山理絵)

 ■「嘘」「達観」「闇をそぎ落とし」

 ドラマは10歳で不慮の事故に遭い、25年眠り続けた35歳の望美が主人公。目覚めたばかりの望美が号泣する場面が「10歳に見える」と言われ、子供の演技も評判だ。

 役作りのヒントは、柴咲が自宅に保管していた10歳の頃の肉声が録音されたカセットテープ。春休みに静岡の知人の家で過ごしたときの雑談だ。

 柴咲は「都はるみさんの曲を歌い、東京から田舎に引っ越したいと言っていて、『学校でいじめられている』と嘘もついて。子供ながらにえぐいことを考えている。そのときの感情は覚えています」と懐かしむ。

 望美は太陽のように明るい少女だが、自身については「一人っ子でかぎっ子で、どちらかというと暗い子でした」と回想。「10歳は見た目と内面のギャップがすでに芽生えている。意外と大人だし、達観している。望美は甘えん坊なので闇の部分をそぎ落とし、想像以上に幼くなりました」と明かした。

 ドラマのキーアイテムの1つも、10歳の望美が夢だったアナウンサーのまねごとを録音したカセットテープ。脚本家の遊川和彦氏(65)が取り入れたのは偶然で、「遊川さんにのぞかれているのか」と笑った。

 望美は小学生から大人へと急成長し、実年齢と精神が一致しない難役。強い正義感や純粋さのあまり、周囲から厳しい現実を突きつけられる。

 「今にぴったりだなと。みんな折り合いをつけて生きているし、子供のようにも生きられない。でも、本当にそうなのかなとも思います」

 30代での思春期の演技。当時の自分については「働き始めているけど、何かを成し遂げてはいないし、早く大人になりたいなあと思っていました」と述懐。中学生の制服姿も劇中で披露し、「放送がハロウィーンの時期で良かったなあ」とおどけた。

 ■鈴木保奈美の愛、坂口健太郎との初恋の行方

 登場人物は訳ありだらけだ。鈴木保奈美(54)演じる明るく優しい母は25年の看病を経て、冷徹な印象に。離婚した父(田中哲司)は新しい家庭や会社で肩身が狭く、妹(橋本愛)は愛情に飢えたとげのある大人に-。

 母は分かりやすく愛情表現をしないが、望美にやって来た反抗期に思わずうれし涙を流す。

 実生活で三姉妹の母でもある保奈美について「演技に嘘がなく、体が反応している感じがします。撮影現場で会うと『望美が成長してる。ジーンズ履いてる』と感情移入して声をかけてくれます」と全幅の信頼を寄せる。

 坂口健太郎(29)演じる初恋相手・結人(ゆうと)は望美に現実を突きつけながら、成長に向き合う。劇中で恋仲になり、「『東京ラブストーリー』みたいにそれぞれの道を行くパターンもあるんじゃないでしょうか」と想像する。

 また、脚本家の遊川氏とは、2015年の主演作「〇〇妻」に続くタッグで、「喜怒哀楽の中の怒りや悲しみの描写がすごく上手な方。人はみんな幸せになりたいのに、真逆のことをしているというメッセージを感じます。100%(の感情)でやらないと嘘だってばれてしまいます」と気を引き締める。

 「〇〇妻」では主人公が終盤に死んでしまい、「『嘘でした』と言って起きるドッキリだと思っていたら…」といたずらな笑み。今作でも遊川流の想定外のエンディングが注目される。

 コロナ禍でドラマ界も苦境に立たされたが、演じる意義を感じている。

 「人間に焦点を当てた作品なので、困難な状況でも何かしらのヒントになれば。1人ではなくて、みんなでモノ作りをするのは楽しい。そういうのを絶やしてはいけない」と力を込めた。

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