「大惨事」にならなかった神戸ビル足場倒壊事故 いくつもの“奇跡”

【衝撃事件の核心】

 白昼のオフィス街で、頭上からビルの足場が倒れてきた。4月3日、神戸市中央区のJR三ノ宮駅近くの目抜き通りで起こったビル解体工事現場の足場倒壊事故。通行人の男女2人が足場の下敷きになるなどし、重軽傷を負った。事故の原因について、現場にいた解体業者の作業員は兵庫県警に対し「(重機の)操作ミスだった」と供述している。

 だが、同業者らからは「単なる操作ミスならあんなに(鉄骨が)落ちない」との声も聞かれ、事故は“人災”の様相も呈してきた。ただ、2人の負傷者を出したものの、神戸のメーンストリートでの事故が大惨事とはならなかったのは、いくつもの“奇跡”が重なっていた。(三宅令)

 ランチ時だったら…

 3日午前11時10分ごろ、JR三ノ宮駅の北約100メートルの県道(通称・フラワーロード)沿い。この日は春らしい好天に恵まれた1日になるかと思われた。

 近くを歩いていた女性(37)は、急に日差しが遮られるような気がしたため、空を見上げて目を疑った。

 「ビルが倒れそう」

 解体工事現場の足場の柵が倒れ、気付いた人から慌てて走って逃げたが、自転車を押していたパン店店員の女性(22)は足がすくんだのか、動けないまま下敷きになった。女性は病院に運ばれたが、頸椎を折る重傷を負った。ほかに歩いていた飲食店店員の男性(20)が肩に軽傷を負った。

次ページフラワーロード東側で、2棟のビル解体工事が行われており…

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