“愛国派”市長をトップの座から引きずり降ろすきっかけとなった「一通の怪文書」

【衝撃事件の核心】

 恐るべし紙爆弾の力-。一通の怪文書をきっかけに、“愛国派”市長がトップの座から引きずり降ろされた。4月10日投開票の大阪府茨木市長選で、再選を目指した現職の木本保平(やすひら)氏(71)が、新人で弁護士の福岡洋一氏(40)に大差で敗れた。木本氏をめぐっては市長選直前の3月、親族が市税約1千万円を滞納した上、その親族の土地・建物を担保に金融機関から5千万円を借り入れ資産報告書に記載していなかった問題が怪文書から発覚。相次ぐ報道に加え、木本氏の親族宅に「金払え」などと落書きされる被害まで発生し、突如出馬を決めた新人候補に大逆転を許した。木本氏は取材に「日本に誇りを持てる『徳育』を進めたかった」と愛国派らしい“遺言”を残し、きっぱりと引退を表明した。

匿名の怪文書きっかけ

 すべては一通の怪文書から始まった。

 「市長の立場を利用して、身内の税金滞納を隠し立て、いつまでたっても差し押さえもせず、(中略)市長として高い退職金をもらい、高給を取り続けることは腹立たしさを通り越し情けない気持ちで一杯です」

 差出人不明の怪文書が、茨木市議会の各会派などに届いたのは、今年の3月議会が始まる直前。怪文書には、木本氏が親族の土地・建物を担保に金融機関から5千万円を借り入れていたことや、関連の土地の登記簿まで添付されていた。

 怪文書をもとに親族の税滞納疑惑が一部で報道されると、木本氏は市役所に詰めかけた報道陣に対応した。親族の税滞納について「約1年前に滞納の事実を市職員から知らされ、おい(親族)に催促した」と事実関係を認め、滞納額は固定資産税など計約1千万円に上ることを明らかにした。

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