ヘイト法施行 通行人に危険も?対立グループが大勢で取り囲み…

【衝撃事件の核心】

 排外主義など過激な言動を行う右派系市民グループと、これに対抗するグループの対立が先鋭化するなか、今月3日、特定の人種や民族への差別をあおるヘイトスピーチ(憎悪表現)解消を目指すヘイトスピーチ解消法が施行された。だが、双方をめぐる情勢は新たな展開を見せ、逆に混乱が加速している。警察当局は、対立に無関係の通行人が巻き込まれるなどの不測の事態に警戒感を強めている。

 ■渋谷に「恒例」の混乱…主張かみ合わず騒ぎは加速

 休日の人出でにぎわう東京・渋谷駅周辺が5日午後、怒声ともみ合う群衆で騒然となった。右派系市民グループのデモに対し、反対グループが集まり、中止を求めて詰め寄った。通行人が不安げに見つめる中で交通はまひした。

 こうした光景は、都内をはじめ全国で見られてきた。

 「朝鮮人をたたき出せ」「ゴキブリ、ウジ虫は日本から出てゆけ」

 これまでは、在日コリアン排斥などを中心に、時に過激な言動で声高に主張する右派系市民グループに対し、反対グループが周囲からメガホンで「レイシスト(人種差別主義者)帰れ」と叫んだり、中指を立てたりしながら、激しく威圧する構図。対立が傷害事件にエスカレートしたこともあった。

 ただ、5日の渋谷のデモは様子が違った。排外主義や人種差別のスローガンは影を潜め、右派系市民グループは主に共産党を批判する呼びかけに終始した。背景にあったのはヘイトスピーチ解消法だ。警察当局は同法施行を受け、名誉毀損(きそん)や侮辱、暴力など、デモをめぐる違法行為に厳格対応する方針を通達していた。

 施行後初のデモとなったこの日、主催者側は摘発に警戒感をにじませ、参加者には「差別発言や暴力的行動は絶対にやめて」と念押ししていた。

 一方、反対勢力は以前と同様に差別主義に抗議する声を上げた。このため双方の「主張」はかみ合わず、群衆が入り乱れる混乱だけが加速するいびつな事態が際だった。

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