「パソコンいじるだけで大金」“医の性善説”逆手に薬剤師&医師、悪意のタッグ

【衝撃事件の核心】

 「医療制度の根幹を揺るがす事態だ」と捜査関係者はため息を漏らした。虚偽の調剤報酬や診療報酬を請求したとして、大阪府警は5~6月、詐欺容疑などで府内の薬剤師や眼科医を相次いで逮捕した。薬剤師は患者役に病院で病気と嘘をつかせて処方箋を入手し、高価な薬を調剤したように偽装。眼科医も患者役の病気をでっち上げて偽の処方箋を出し、それぞれ診察や調剤の報酬として自治体などから現金をだまし取っていたという。手口自体は単純だが、医師や薬剤師に対する「性善説」に基づく日本の医療制度の“弱点”を突いた犯罪。彼らの悪意はどこまで通用したのか。事件の顛末(てんまつ)を追った。(大森貴弘)

 あまりに不自然な請求

 「普通の患者には使わないような高価な薬の調剤報酬を大量に請求している。患者一人当たりの単価が高過ぎ、あまりに不自然だ。一度調べてもらえないか」

 発覚のきっかけは、関西のある自治体の医療担当者から、大阪府警に寄せられた1本の通報だった。

 捜査関係者は「これ以上の細かい内容や相談が寄せられた時期は、今後の捜査に支障を来たすので明かせない」と口ごもる。ともかく、今年1月よりも前に寄せられたこの通報が、長年にわたる「悪事」を白日の下にさらすことになった。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ

    どう思う?

    「どう思う?」一覧