「目が開かない!」“無限の苦しみ”に悩むエリート息子を絞殺した母 難病が招いた悲劇

【衝撃事件の核心】

 終わりの見えない苦しみに2人の精神は限界を超えた。大阪府東大阪市の民家で長男(33)を絞殺したとして6月、殺人容疑で同居の母親(67)が大阪府警布施署に逮捕された。長男は目が開きづらくなる症状に悩まされ、親子で病院を探し回った末に判明した病名は、脳神経系の難病「ジストニア」。長男は体の一部も思うように動かせなくなり、常に吐き気を催すような状態が続くなど、病状は悪化の一途をたどった。献身的に面倒を見ていた母親も心身ともに疲労が極限に達したのか。親子で心中しようと母親は長男の首を絞めた。しかし、自分は死にきれず、長男から依頼があったとする嘱託殺人罪で起訴された。

子の将来悲観、自分も…

 「午後7時9分、逮捕」

 6月27日、薄暮の住宅街に警察官の声が漏れ伝わった。警察官とともに自宅から姿をみせた母親は伏し目がちだった。

 母親や長男と付き合いが深かった隣家に住むアルバイト男性(65)は「余計なことをしてしまったかもしれない」と、悔悟の念を抱きつつ振り返る。

 男性は機転をきかせたつもりだった。きちょうめんな母親がごみ出しの日に2日続けてごみを出していない。新聞もポストに数日分たまっている。「胸騒ぎがした」という男性は、妻(67)とともに近くの交番へ駆け込んだ。

 ほどなく布施署員が駆け付けた。呼び鈴を鳴らしても応答はない。男性宅の2階ベランダから母親宅へ移って改めて呼び掛けても無反応だったが、カーテンのすき間から赤い液体が床に広がっているのが見えた。

 「血や、血出てるぞ! 救急車を呼べ」

 署員の一人が同僚に叫んだ。閑静な住宅街は緊迫した空気に包まれ、応援で駆けつけたパトカーのサイレンが辺りにこだました。

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