九州豪雨 朝倉市内ルポ 流木散乱、道消えた 「家族と連絡取れない」

 九州北部を襲った記録的な大雨で、濁流にのまれ、水浸しとなった町の被害の様子が6日午前、少しずつ明らかになってきた。特別警報が続く福岡県と大分県。道路や鉄道は寸断され、流木が一帯に散乱していた。降り続く雨の中、ボートや重機を使った救出活動が続き、住民らの顔には疲労の色が浮かんだ。

 午前6時すぎ、福岡県朝倉市内に入った。想像していた豪雨ではなく、落ち着いた小雨。だが、5日深夜までの24時間雨量が観測史上最大の515ミリ超となった市内には惨状が広がっていた。

 道路には上流から流れ着いたとみられる丸太が横たわり、田畑は水浸し。濁った水が流れる川のそばにある中学校の体育館の基礎部分は大きくえぐられ、本来見えないはずの土台の骨組みがあらわになっていた。

 「小さな神社があったのに」。崩れ落ちた法面(のりめん)を指さしながら、女性は肩を落とした。「家族は無事だったんだけど…」。女性は知人らの安否や街の惨状に胸を痛めた。

 見えない被害の全容に災害対策本部も対応に追われた。消防団や市職員が慌ただしく出入り。その入り口で立ち尽くす高齢男性がいた。男性の妻や両親は、黒川地区で孤立しているとみられ、連絡が取れないという。「昨日の昼、妻からの電話に出られなかった。今は待つしかないんです」。男性は不安を押し殺すように話した。

 被害の大きかった山田地区でも、流れてきたタイヤや冷蔵庫、エアコンの室外機などが道路に散乱していた。中古車販売店の男性(68)は「商品の車、半分ぐらいがだめになった」と落胆した。

 国道386号沿いの交差点には長さ30メートルはある大木が積み上がり、その近くには、部屋が押しつぶされた家屋もあって住民らが重機を使って撤去を続けていた。「老夫婦が下敷きになっている」。近所の男性は心配そうに救出活動を見守っていた。(桑波田仰太)

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