九州大雨被害、インフラ強化の必要性 復旧作業長期化なら観光にも影響か

 大規模災害のたびに交通網が寸断し、市民生活を直撃する。今回の豪雨でも、大規模災害に備えたインフラ強化の必要性が、改めて浮き彫りになった。

 濁流の中に倒れた橋脚、大きく折れ曲がったレール。大分県日田市のJR久大線では、日田-光岡駅間の花月川にかかる橋梁(きょうりょう)=約80メートル=が増水した川に流され、線路が流出した。

 大分と福岡・久留米を結ぶ久大線は、観光列車「特急ゆふいんの森」や豪華寝台列車「ななつ星in九州」のルートにもなっている。

 ななつ星は、車両検査のため8月20日まで運休しており、当面の影響はない。それでも復旧作業が長期化すれば、観光への影響も懸念される。JR九州広報部は「復旧の時期は見通せない。まずは現地調査をし、その後に作業計画を立てる」と説明した。日田彦山線なども被害を受けた。

 平成24年7月の九州北部豪雨では、久大線や、大分と熊本を結ぶ豊肥線で、土砂災害によるレール流出が相次ぎ、全線復旧まで1年がかかった。

 一方、電力網も打撃を受けた。6日も最大約6300戸で停電となった。九州電力は、福岡、大分両支社に非常災害対策本部を設置し、復旧作業を急ぐ。

 九電は災害に備え、自衛隊との連携を強化する。今年4月、送電設備の復旧時に人員や物資の輸送支援が受けられるよう、海上自衛隊佐世保地方隊(長崎県佐世保市)と連携協定を結んだ。

 災害の教訓を生かす取り組みはインフラ各社に広がる。それでも想定を上回る規模の災害は続く。

 安倍晋三政権は主要政策として国土強靱(きょうじん)化を掲げた。インフラ維持へ、官民を挙げた取り組みの加速が求められる。

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