九州豪雨 土砂ダム、決壊恐れ 依然として危険な状況

 記録的な豪雨に襲われた九州北部は10日、今にも雨が降り出しそうな不安定な空に覆われた。大分県日田(ひた)市では5~6日、大規模な土砂崩れが発生するなどして地域思いの消防団員やお客さんから親しまれていた元タクシー運転手夫婦の3人が犠牲になった。家族や知人らが悲嘆に暮れる中、土砂崩れで川がせき止められてできた「土砂ダム」が決壊する恐れも高まっており、依然として危険な状況が続いている。

 小野地区の消防団員、山本岳人(たけと)さん(43)は6日、被災状況を確認しようと外に出たとき、土砂にのみ込まれた。

 「陽気で明るくて、地域のみんなから慕われていた。消防団の活動にも積極的だった」。消防団仲間の権藤健一さん(39)は無念そうに話す。

 ガソリンスタンドで勤務していた山本さんは正義感が強かったといい、「地域を守りたい」と約10年前から消防団員として活動。元消防団員の高瀬重光さん(67)は山本さんが亡くなる前日、雨でびしょびしょにぬれながら住民らに避難を呼びかける姿を見かけた。高瀬さんは「『えらいぬれたな。風邪引くぞ』と声をかけると、『大丈夫』と笑顔で返していたのに…。死ぬにはまだ若すぎる」と肩を落とした。

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