“レベル低い偽札”男はなぜ作ったのか… 「我慢の限界」裁判員裁判で下された判決

【衝撃事件の核心】

 作成した偽札がどれほどつたないものだったか-が争われた裁判が9月、大阪地裁であった。自宅のプリンターで1万円札をコピーして偽札1枚を作ったとして、通貨偽造罪に問われた大阪市の介護士の男(39)に対する裁判員裁判。弁護側は被告が作った偽札が「透かしもなく、サイズも本物より小さいなど、『偽造』のレベルに達していない」として、同罪の成立を否定し、無罪を主張した。

 普通なら偽札は見破られないように精巧に作ろうとするもの。ではなぜ、男は下手な偽札を作ったのだろうか。被告は不満を抱いていた知人に偽札を使わせ、逮捕されることが一番の目的だったのだ。

 あっさり見破られ

 被告は1月末~2月上旬ごろまでの間、大阪市内の自宅で、プリンターで本物の1万円札を両面コピーして偽札1枚を作ったとして、4月に起訴された。この偽札は被告が自分で使うためのものではなく、精神障害のある知人を陥れる道具にするためだった。

 検察側の冒頭陳述によると、被告は4月9日未明、大阪市内の公園で知人男性と待ち合わせ、作った偽札を地面にあらかじめ落としておき、知人が拾うよう仕向けた。

 被告の思惑通り知人は偽札を拾い、量販店でチューハイ2本を買おうとして店員に見破られ、警察に通報、逮捕された。

 なぜ被告は知人を陥れようとしたのか。被告人質問で被告は理由をこう説明した。

次ページ被告の「知人を陥れる」という目的は達成されたが…

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