圧倒的物量・激安販売のわいせつDVD工場摘発 なぜ?垣間見える日本の特殊性

【衝撃事件の核心】

 コンテンツはフリー(無料)が主流の時代。有料のものであっても、国際的にはダウンロード配信が全盛だが、日本ではいまだ「物」に対する愛着、信仰が根強いようだ。

 「過去最大級の製造拠点だった」。大阪府警の捜査関係者がそう振り返るのは、6月に摘発されたわいせつDVDの販売工場のこと。無修正品、海賊版の複製など、ここから押収されたパッケージ製品は、実に21万枚の多数に及んだ。ネット上にフリーポルノがあふれ返る現代にあって、それに抗(あらが)うような圧倒的な物量。その背景を調べると、販売側と顧客の思惑が一致した特殊なビジネスモデルが見えてきた。

 うなるマシン

 工場は、大阪市港区のテナントビル7階にあった。6月7日午後1時ごろ、ここに大阪府警保安課の捜査員らが捜索に入った。

 フロアに入ってすぐ目に飛び込んできたのは、壁一面を埋め尽くしたわいせつDVDのパッケージ。そして「デュプリケーター」と呼ばれるDVDの複製機39台が、稼働音のうなりを上げていた。府警はその場にいた男女5人を摘発。DVDと複製機をすべて押収した。

 デュプリケーターは、パソコンを介さずに短時間でDVDやCDを複製できるマシン。一度に数枚コピーできるものもあり、1台3万円ほどで市販されている。一般的に正規品にはコピーガード機能があり、複製できない仕組みになっているが、デュプリケーターの機種によっては、ガード機能を無効化できる。

次ページ押収された21万枚のうち、モザイク処理がされていない無修正DVDは…

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ