仮想通貨流出 「NEM」狙う不審通信、中露など4カ国から観測過去 捜査は国境の壁乗り越えられるか

 取引所「コインチェック」をめぐる仮想通貨「NEM(ネム)」の流出問題は、警視庁が捜査に乗り出し、刑事事件に発展する公算が大きくなっている。警視庁は今後、不正アクセス禁止法違反容疑などを視野に入れ、流出の経緯や盗み出した犯人の割り出しといった捜査を本格化させる。ただ、匿名性の高さから流出先口座の所有者の割り出しは容易ではないとみられる上、不正アクセスが海外から行われた可能性もあり、捜査の困難化や長期化も懸念されている。今後の捜査の行方を占った。

 ■通信記録提供受ける

 約580億円相当にも上るネムの流出をコインチェック社が公表したのは1月26日金曜日の深夜。同社からの連絡を受けた警視庁は週明けの29日、同社役員からの聞き取りを行った。さらに31日には、不正アクセスの経路などを調べるため、同社から通信記録の提供も受けた。

 同社のネムの管理態勢をめぐっては、ネムをインターネットから遮断されていない財布(ホットウォレット)で管理していたことや、その財布を開くための鍵となる“秘密鍵”を複数化することでセキュリティーを高める手法(マルチシグ)を導入していなかったことなど、不十分な点が指摘されている。

 今回の事件では、こうしたずさんな管理態勢の隙をつかれ、膨大なネムが不正に送金された。“犯人”が送金先として使ったとされる口座は特定され、監視が続けられている。ただ、その口座の所有者を特定できるかどうかは別問題の上、仮に口座所有者を特定できたとしても、それがネム盗み出しの犯人と同一人物だと断定するにはもう一段のステップが必要となる。

 警視庁の捜査関係者は「捜査は緒に就いたばかりだが、長くかかる予感はある」と既に長期戦の構えを見せている。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ