大阪北部地震 鉄道、帰宅困難、ライフライン…浮かび上がった「想定外」、学ぶべき教訓は

18日、大阪府高槻市では、住宅から屋根瓦が崩れ落ちていた

18日、大阪府高槻市では、住宅から屋根瓦が崩れ落ちていた

 大阪北部地震の発生から1週間が過ぎた。これまで自治体や企業は南海トラフ巨大地震を念頭に災害対策を進めてきていたが、実際に大阪都市部で発生した大きな揺れは、さまざまな“想定外”を生みだし、それに対する準備不足を浮き上がらせた。いつ起きるか分からない巨大地震。学ぶべき教訓は何だったのか。

地震で屋根瓦が崩れ、ブルーシートが掛けられた住宅=24日、大阪府高槻市

地震で屋根瓦が崩れ、ブルーシートが掛けられた住宅=24日、大阪府高槻市

麻痺した交通網 鉄道人員不足、運転再開遅れ

 朝の通勤ラッシュを直撃した大阪北部地震。関西の鉄道各社は軒並み運行を見合わせ、計540万人以上に影響した。乗客の安全を確保しつつ、都市交通機能をいかに早く回復させるかは、今後の大きな課題だ。

 鉄道各社は駅などに震度計を設置。おおむね震度4以上の揺れを感知すると直ちに列車を停止させる。実際に今回も各社は発生直後に運行中の全車両を緊急停止させた。

 「転倒などの二次被害もなく、想定通りの対応ができた」とJR西日本の担当者。しかし、運転再開に向けた復旧作業は、想定外の事態に見舞われた。

 JR西は大規模災害が発生した場合は、休みの社員も緊急出社させ、持ち場まで行けない場合は最寄りの駅で業務に当たるよう定めている。

 今回も安否確認が取れた社員に出勤を指示。しかし、地震後の混乱で誰が出社し、どこで業務を担っているかの把握ができず、作業員を乗せた車が道路渋滞につかまるなどのトラブルも重なった。

主要鉄道各社への影響

主要鉄道各社への影響

 さらに、一つの路線を一部区間ごとではなく、一度に復旧させることにこだわったことなどもあり、運転再開は当初の見込みから大幅にずれ込んだ。

 鉄道設備への被害が拡大した場合、他の支社やJR各社から応援を受ける体制を取っているが、応援人員が現場にたどり着けず、限られた人数で復旧作業を行わざるを得ないケースは想定しておく必要がある。

 鉄道会社に勤務経験があり、鉄道の地震対策に詳しい関西大の林能成教授(地震防災)は「私鉄とも情報を共有しながら優先的に復旧させる路線を決めるなど、どうすれば都市交通機能の早期回復が図れるかを検証すべきだ」と話した。

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