オウム死刑執行 証言されないまま執行「真相分からぬまま…」住民と教団が対立した熊本・旧波野村

 かつてオウム真理教の道場があり、教団と住民が激しく対立した熊本県阿蘇市(旧波野村)では、松本智津夫死刑囚の刑執行に「ようやくか」と安堵する声と「真相は分からないままだ」と悔しがる声が交錯した。

 松本死刑囚は現在の熊本県八代市出身。教団は1990年に旧波野村に進出し、信者の転入届受理を拒む村との訴訟にも発展した。

 道場跡近くに住み、反対活動をした林業高宮信一さん(72)は「死刑になるのが当然」とした上で「松本死刑囚が何を考え、何を目指したのか。証言されないまま執行されてしまった」と話し「オウムから分かれた組織が、事件を起こさないでくれればいいが」と不安をのぞかせた。

 追放運動に携わった元村職員の夫を4年前に亡くした女性(70)は「やっとという思いだ。夫も村も、みんながオウムに振り回されてしまった」と振り返り「希望を持てない人がオウムに取り込まれた。今の社会も希望があるとは言えず、第2、第3のオウムが出てこないか不安だ」と話した。

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