西日本豪雨 災害時、行方不明者氏名公表で安否確認 個人情報保護より公益性

 岡山県が11日、県内で安否が分からない人々の氏名公表に踏み切った。行方不明者の氏名公表は広く情報提供を求める狙いがあり、集まった情報が捜索活動に役立ったケースは多い。限られた時間と資源の中で人命救助を進める際、専門家は「個人情報保護より氏名公表の公益性が上回る」と指摘する。

 39人の死者・行方不明者が出た平成25年10月の東京・伊豆大島の土砂災害は、大島町が行方不明者の氏名を公表。「『安否不明者』だが、生存している住民の情報も寄せられた」(同町)といい、効率的な捜索活動につながった。

 26年8月の広島土砂災害では、広島市が5日後に当時の行方不明者28人の氏名を公表。寄せられた情報から捜索場所を特定し、人員や機材を集中させることができたとされる。

 今回も岡山県倉敷市真備町地区で早速、「行方不明」とされていた複数人の生存が確認された。

 一方、27年9月の茨城県常総市で鬼怒川が決壊した水害では、県や市が行方不明者の人数のみを公表。氏名が分からず住民から情報提供を受けられないなど、全員の無事確認に手間取った上、自衛隊や消防との情報共有が遅れ、確認後も捜索が続く事態を招いた。

 立教大の服部孝章名誉教授(メディア法)は「人命救助と個人情報保護とで、どちらに公益性があるのか比較考慮すべきなのに、いまだ多くの公的機関はそれをせずに名前を出さない。今後は考えていく必要がある」と話している。

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