西日本豪雨 水路損壊で稲作に打撃…対応急ぐ農家

 西日本豪雨は田畑に水を引くかんがい設備などの損壊をもたらし、被災地の稲作に影響が広がっている。稲の成長に水が欠かせない時期だけに、農家は対応に追われている。

 広島県三原市の農業法人「清流の郷・泉」では土砂が砂防ダムを越え、田んぼに水を引く20メートルほどのパイプを土台ごと押し流したため、仮のパイプの応急処置でしのぐ。

 古いため池も土手が一部壊れ、戸野勉組合長は「決壊すれば民家や田んぼが被災する」と懸念。ため池は地区に数多くあるが、全てを整備するのは「膨大な費用を考えると現実的ではない」として、井戸水の農業利用を提案する。

 広島県内では18日時点で、661ヘクタールの水田で冠水や土砂流入の被害が確認され、被害額は5億円を超えた。尾道市の御調町地区では、水田に水を引くために川をせき止める井堰の損壊が報告されるなど、コメ農家への影響は甚大だ。

 愛媛県でも、コメの収穫減が見込まれる水田の面積が、大洲市や西予市を中心に383ヘクタールに達し、被害額は24日時点で約1億円に上る。大洲市のJA愛媛たいきでは、コメを乾燥して玄米にする「大洲農産センター」が浸水し、乾燥機やもみすり機が壊れたため施設の移転を決めた。

 農林水産省によると、西日本豪雨による水路やため池を含む農業用施設の損壊は29日時点で約2万1千カ所、計688億円に上り、被害は34道府県に及んでいる。

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