流出NEM事件、発生から半年 海外サーバー経由で不正通信指示 通信記録欠損で犯人特定は高いハードル

 【衝撃事件の核心】

 仮想通貨交換業者「コインチェック」(東京)が不正アクセスの被害を受け、約580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出した事件は発生から半年が経過した。警視庁は犯人特定に向けて不正アクセスの通信記録の解析を進めているが、通信が海外の複数のサーバーを経由している上、一部の記録が保存されず欠損しているため、捜査幹部が「前例がない」と称する事件の捜査は容易ではない。

札束の写真と「サンキュー」

 「ネムをビットコインやライトコインと自動で交換できます」。2月上旬に突然、ドラッグや偽造品などの取引も行われる匿名性の高い「ダークウェブ」上に英語のサイトが出現した。犯人側が盗み出したネムを別の仮想通貨と交換するように持ちかけるため、このサイトを開設したとみられる。

 サイト上ではネムを相場より15%ほど割安で提供するとし、1カ月余りでほぼすべての交換が完了。画面には、犯人を特定できていない捜査の現状をあざ笑うかのように、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長をイメージしたとみられる人物が札束に囲まれたコラージュ写真と、「Thank you!!!」の文字が掲げられていた。その後、サイトはすべて消去されたとみられる。

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