西日本豪雨 廃業か再建か 揺れる被災地の商店 高額な再建費や後継者問題など不安募る

 西日本豪雨の被災地で、中小事業者が廃業か再建かで揺れている。復旧には多額の費用を要するため二の足を踏んでしまい、経営者が高齢化しているうえに後継者がいない事業者も少なくない。「もう少し若ければ…」「人口が減れば売り上げも落ちるだろう」。地元経済の衰退にもつながりかねない事態で、国は個別の事情を考慮する「オーダーメード型支援」を行う方針だ。

 「再建へのめどが全く立たない…」。岡山県倉敷市真備(まび)町箭田(やた)のクリーニング店「土師(はじ)クリーニング」の店長、土師幸二さん(76)は、店舗の再建費用の見積もりを見ては頭を抱える毎日だ。

 豪雨で店舗の設備は全て泥につかり、再建費用は資機材だけで3千万円を超える。「もう10歳若かったら融資を返済する元気もあったが、今は事業を続ける体力に自信がない」

 中小企業庁の7月24日時点の集計では、豪雨による全国の中小企業被害額は計4738億円に上り、うち岡山が2810億円で大半を占めた。

 被災地11府県には災害救助法が適用されたため、大半の銀行や信用金庫などから低利で資金融資を受けられるようになった。被災自治体も独自の支援策を設け、倉敷市では豪雨を受け、小規模事業者に最大で2500万円、中小企業に最大で5千万円を低利で融資する緊急融資制度を創設した。

 しかし、事業者の不安は当座の資金面だけではない。真備町箭田の文房具店「太田文具」店主、太田(おおた)芳子(よしこ)さん(77)は、市や国の資金融資制度の活用を検討しているが、「店舗の改装費や商品発注の負債を抱えて店舗を再開しても、真備町の人口が減れば売り上げも落ち、返済も難しくなる」と将来への不安を隠さない。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ