西日本豪雨 JR呉線一部再開、住民の“足”徐々に 「通勤が楽になった」全線再開心待ち

 西日本豪雨から1カ月を目前に一部区間で2日、運転を再開した広島県内を走るJR呉線。再開した海田市(かいたいち)-坂(さか)間は同線の中でも利用者が多く、通勤・通学客はようやく日常の足を取り戻した。その一方で、坂駅より東側は被害が大きく全線復旧は来年1月となる見込み。中国地方では豪雨の影響で運休している路線も多く、JR西日本が懸命の作業を続けているが、復旧のめどすら立っていない路線もある。

豪雨被害を受けたJR呉線で、坂-海田市間の運転を再開した。ブルーシートがかけられた斜面の前を通過するJR呉線の車両=2日午前、広島県坂町(彦野公太朗撮影)

豪雨被害を受けたJR呉線で、坂-海田市間の運転を再開した。ブルーシートがかけられた斜面の前を通過するJR呉線の車両=2日午前、広島県坂町(彦野公太朗撮影)

 2日午前7時ごろ、朝のラッシュを迎えた広島県坂町の坂駅では、会社や学校へ向かう乗客が続々と電車に乗り込んでいった。約1カ月ぶりに広がる日常の通勤風景。広島市内へ向かう坂町の会社員、野村亘さん(30)は「止まっている間はバスで2時間以上かかっていたが、これから楽になります」と話していた。

 呉線は海田市で広島方面や三原方面へ延びる山陽線と接続している。JR西によると、再開区間にある矢野、坂両駅は、広島市中心部への通勤・通学客が中心で、同路線の中でも利用客が多いという。

 JR西はバスによる代替輸送を実施。しかし、同線と並走する国道31号は自家用車に加え、広島市中心部と被害の大きかった呉市方面とを行き来する自衛隊や消防の車両などで慢性的に渋滞し、坂-広島間は電車より30分以上長く時間がかかっていた。

 復旧した区間は線路の損傷はほぼなかったが、坂駅で近くの川が氾濫し駅舎が浸水。JR西は駅舎に流れ込んだ大量の土砂の搬出作業や設備の点検を行い、2日の運転再開にこぎ着けた。坂町総務課の担当者は「広島市のベッドタウン的な町で、呉線が止まって困っていた住人は多い。一歩、日常に近づいた感覚だ」と、再開を歓迎する。

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