西日本豪雨 遠のく客足、観光地に打撃 「宿泊クーポン」好評、追加発行も

 夏休みの観光シーズンが本格化するなか、西日本豪雨の影響で被災した地域の観光地は依然、客足が戻っていない。アニメ映画「この世界の片隅に」の舞台となり、聖地巡礼による集客に期待が集まっていた広島県呉市は豪雨による道路網の断絶で客足は大幅ダウン。直接被害はなかった岡山県倉敷市の美観地区なども観光客のキャンセルが相次いでいる。ただ、逆境をはねのけようと岡山県が発行した「宿泊クーポン」は好評で、観光の復興に向けた動きも少しずつ見え始めている。(山本考志、森西勇太)

 広島県呉市は、戦時中の情景を細かく描き、アニメ映画がヒットした「この世界の片隅に」(こうの史代さん作)の舞台として知られる。作品に登場した実際の場所を訪れるファンでにぎわっていたが、豪雨で鉄道網が断絶するなどし、客足が減っているという。テレビドラマ化されたこともあって、集客が期待されていただけに地元の落胆は大きい。

 ■団体客が激減

 呉市中通のアーケード街「れんがどおり」は豪雨の際に冠水。現在は豪雨の影響がほぼないが、人通りはまばらなままだ。作品の原画などを展示する「街かど市民ギャラリー90(くれ)」では、7月7日以降の来場者は例年の半数以下に。作品のファンが集う飲食店「たまや」でも客足が伸び悩み、経営者の空(そら)たまみさん(50)は「お客さんが増えるのを期待していたが…」と肩を落とす。

 呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)では、予約していた団体客の約8割が来場を取りやめた。市によると、昨年7月の来場者は約7万7千人に上ったが、今年7月は約1万7千人にまで落ち込んだ。市観光振興課は「呉に足を運んでもらえて、地域が元気になるような対策を考えていきたい」と話した。

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