西日本豪雨 人的被害ゼロの団地、自主防災が実を結ぶ

 広島県東広島市の山裾にある「洋国団地」(約50戸、約100人)は西日本豪雨で約10戸が全半壊したが、死者、けが人はなかった。要因として、高齢者の避難を支える当番制度の導入や独自の避難路整備など、自発的に進めてきた対策が挙げられる。住民の中には次の災害に備え、さらなる防災力向上を模索する動きも出ている。

 陥没した道路、1階部分がむき出しの住宅、土砂に埋まった車-。7月7日早朝、土石流に襲われた団地は8月になっても被災の影響を色濃く残していた。「運が良かった部分もあるが、これまでの備えが生きたとも思う」。防災リーダーの大野昭慶さん(75)は冷静に振り返る。

 市のハザードマップで全域が「土石流被害想定箇所」とされている洋国団地では、持病や障害がある高齢者らの避難を手助けする当番をあらかじめ決定。大野さんも7月6日のうちに、担当の高齢夫妻を市の避難所に車で連れていった。

 2010年から6年間民生委員を務めた大野さんは、11年の東日本大震災を契機に日ごろの備えの大切さを痛感。自ら草刈りをして避難路をつくり、自助や共助の大切さを説いた避難マニュアルを作成し、配布した。自治会も全戸に防災ラジオを配備し、避難訓練を通じて当番と要支援者の動き方を確認した。

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