地面師グループ 大胆かつ慎重な手口で大企業も手玉

 住宅大手の積水ハウス(大阪市)との土地取引をめぐり、偽造書類を使い名義変更しようとしたとして「地面師」グループのメンバーらが16日、警視庁に逮捕された。事件の舞台になったのは不動産業界で「100億円の価値がある」とされた都心の一等地。地面師グループは、「売らない」と評判だった所有者の偽者▽70億円という割安な価格設定▽精巧な偽造書類-で大企業を手玉に取り、取引を急がせた。犯行態様からは大胆かつ慎重な手口が浮かぶ。

 JR五反田駅から徒歩約5分。高層ビルが立ち並ぶ中に、木々がうっそうと茂り営業を停止した古びた旅館が建つ。敷地面積は約2千平方メートル。都心のまとまった土地として「入札ならば80億円から100億円」ともいわれた物件だ。

 積水ハウス東京マンション事業部の男性社員が、生田剛容疑者(46)から土地の取引情報を得たのは平成29年3月30日。積水ハウスの社外役員らによる調査対策委員会報告書などによると、社員は私的な会合で生田容疑者と知り合っていたという。生田容疑者は社員にこう持ちかけた。「所有者から土地を購入し、積水側に転売する」

 だが、社員は懐疑的だった。この物件は「売らない地主」として不動産業者の間で有名な女性が所有。同社の営業担当らも女性に接触できずにいたからだ。 数日後、社員は生田容疑者から所有者の女性と売買契約を結んだと聞かされ、心が動いた。女性が公証人役場でパスポートや印鑑証明を用いた本人確認をしていたことも背中を押した。

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