物件の南京錠を開け内覧 信用工作か 地面師事件

 住宅大手の積水ハウス(大阪市)の土地取引をめぐる地面師事件で、警視庁に逮捕された地面師グループ側が同社社員を建物内覧に招いた際、物件の南京錠を解錠し、所有者らに無断で内部に入っていたことが17日、関係者への取材で分かった。所有者になりすましていたグループが同社を信用させるための工作として、南京錠や鍵を事前に準備していた可能性がある。

 内覧は手付金支払いや、所有権移転の仮登記などを終えた後の平成29年5月19日、実施された。当時、70代だった土地所有者の女性になりすましていた羽毛田(はけた)正美容疑者(63)は「体調不良」を理由に姿を現さず、代理人の弁護士が対応。弁護士は施錠された表玄関からではなく、裏口の扉に設置された南京錠を解錠して、同社社員を招き入れたという。

 内覧の直前には同社に対して、本物の所有者側から「別人との取引で無効」などと警告する内容証明が届いていた。こうした状況下で、地面師グループ側が羽毛田容疑者への信用性を高めるために、南京錠などを用意して代理人に解錠を指示した可能性がある。

 所有者の女性は同年2月ごろから入院中で、地面師グループは長期にわたる女性の不在に付け入る形でなりすましに及んでいた。羽毛田容疑者が内覧時に姿を現さなかったことについても、周辺で本来の所有者を知る住民らに顔を見られることを警戒していたとみられる。

 逮捕容疑は29年6月1日、東京都品川区の土地について、無断で所有権の移転登記をしようとし、法務局に対して、偽造した委任状などを提出したとしている。

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