五輪施設でも使用 KYBデータ改竄、動揺と憤り広がる  

 地震大国の日本で耐震技術に関する不正が再び全国に波及した。油圧機器のトップメーカー、KYBによる免震・制振装置データ改竄(かいざん)問題では、2020年東京五輪・パラリンピックの競技会場でも使用されていることが判明。国土交通省は「倒壊する恐れはない」と強調しているが、免震・制振技術は建物の命綱だけに、関係者には動揺と憤りが広がっている。

 「2020年に絶対に間に合わせなければならない。早く対応してほしい」。東京五輪の競泳競技会場となる五輪水泳センター(東京都江東区)に問題の製品が設置されていたことについて、都の担当者はこう語気を強めた。

 担当者によると、センターは免震装置が建物直下ではなく巨大な屋根の下にあり、通常の建物よりは交換しやすいという。ただ、どれだけ余分に工期がかかるかは不明といい、「情報が少なくやきもきしている」と話した。

 「一日も早く是正しないといけない」。五輪施設にも波及したデータ改竄問題を受け、千葉県の森田健作知事も18日、記者会見でKYBに怒りをぶつけた。

 五輪施設同様、千葉では行政庁舎や医療・福祉施設など公共の建物を中心に36件に免震装置が使われていたという。各地では地震や台風被害が相次いで発生。森田知事は「そうした中でこういうことがあるのは非常に残念」とし、「安全性の確認や交換などを速やかに行うよう(KYB側を)指導する」と話した。

 懸念は広がるが、国交省は震度6強や震度7の揺れでも建物の「倒壊の恐れはない」との認識を崩さない。その根拠として挙げるのが、KYBから9月に報告を受けた後に実施した第三者による検証だ。

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