不正誘発の背景に震災需要増「納期に間に合わせるためだった」 KYBデータ改竄

 KYBによるデータ改竄(かいざん)問題で、不正を誘発した背景には相次ぐ震災で自治体などが建物の免震化を進め、装置の需要が急激に伸びたこともあるとみられる。KYB側は需要増に応じた適切な人員配置をせず、納期に間に合わせるため、不適合品を調整し直さないままデータを改竄していた。

 免震装置は平成7年の阪神大震災を契機に需要が急増。その後、16年の新潟県中越地震や23年の東日本大震災などもあり、防災拠点となる役場庁舎や警察署で採用が普及した。

 KYBが免震・制振装置の生産を強化したのは12年ごろ。需要増に伴い、国土交通省の基準や顧客の性能基準に合わない装置も増えたとみられるが、検査は基本的に1人だけで実施されていたという。

 装置は建物に応じた調整も必要で「手作り品」に近いものだとされる。基準に適合しなかった場合は5時間前後かけて部品を分解。調整し直した上で再試験する必要がある。検査員はその労力を惜しみ、基準値内に収まるようにデータを書き換えて検査記録を提出し、装置を出荷していた。

 データ書き換えの方法は口頭で引き継がれ、少なくとも8人が関与。「納期に間に合わせるためだった」。8人は不正に手を染めた理由をこう説明しているという。

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