KYB装置交換、大規模工事の恐れ 東洋ゴムの6倍

 KYBによるデータ改竄問題で、KYB側は改竄の疑いがあるものも含め、計1万本以上の製品を交換する方向で対応を急いでいる。ただ、生産能力が追いつかず、完了は最短でも平成32年9月になる見通し。さらに、大規模な工事を強いられ、所有者や住民らとの交渉が難航することも予想され、長期化が懸念される。

 今回データが改竄されたのは、免震ダンパーと制振ダンパー。免震ダンパーは地下空間の基礎部分にボルトで外付けされているケースが多く、建物全体を持ち上げる必要はない。このため、比較的交換は容易とみられる。

 一方、制振ダンパーは地上階の壁の内部や、フロアの壁に外付けされるケースが多い。交換には壁をはがす作業が必要になり、フロア全体を閉鎖する工事も想定される。

 一時的な退去や転居を求められ、所有者や住民らとの調整が難航するケースが出てくるとみられる。さらに、交換対象の装置が1万本以上に及ぶため生産能力が追いつかず、交換は少なくとも32年9月ごろまでかかる見通しだという。

 27年に表面化した東洋ゴム工業の免震装置ゴムのデータ改竄では、154棟に出荷していた。交換工事が完了したのは約3年が経過した9月末時点で98棟にとどまっている。

 今回のKYBによる改竄は疑いも含めると、東洋ゴム工業の6倍を超え、問題の長期化は避けられない。東京理科大の高橋治教授(建築構造)は「東京五輪・パラリンピック関連工事で建設業界の人手が足りない中、交換工事を行う施工業者を確保できるかといった問題もある」と指摘している。

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