出荷開始から改竄 川金HDの免震不正

 鋼材加工などを手掛ける川金(かわきん)ホールディングス(HD、埼玉県川口市)のグループ企業による免震・制振装置の検査データ改竄(かいざん)問題で、不正は出荷開始当初から歴代の検査員3人が行ってきたとみられることが24日、分かった。改竄の手法が引き継がれた可能性もあり、国土交通省は早急な全容解明を求めている。

 改竄は、川金HD傘下の光陽精機(茨城県筑西市)が製造し、川金コアテック(川口市)が出荷した免震・制振装置で、出荷が始まった平成17年2月の当初から行われていた。

 歴代の検査員3人は、検査で得られた元データに不正に係数をかけて性能値を改竄。川金HDは「検査員のみが把握していた」とマニュアルの存在や組織ぐるみの不正を否定したが、手口は同一といい、検査員の中で共有や継承が行われてきた可能性もある。

 同社の内部調査によるとデータ改竄は17年2月から今年9月に出荷された製品で確認。免震用は出荷総数の計45物件、402本のうち4物件、6本で改竄を確認した。また、制振用では103物件、4799本のうち大多数の89物件、1423本に改竄があった。

 改竄を確認した計93物件には、東京都や大阪府など26都道府県の学校や教育施設31件、庁舎13件、病院1件などが含まれる。このほか、台湾に出荷した制振装置での改竄も確認した。

 23日に国交省で記者会見した川金HDの鈴木信吉社長は、顧客契約の基準を当初から満たした適合品で検査データを改竄したケースがあったと認め「顧客の求める性能、納期を満足させるためだったとみられる」と説明した。

 一方、所有者らの了解が得られていないとして物件名は公表せず、今後は受注を停止し、顧客の意向を確認して装置交換など対応を急ぐとした。

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