地面師グループ、案件ごとに離合集散…精緻な配役と嘘で手玉

 積水ハウスが被害に遭った地面師事件。地面師グループのメンバーらは所有者や内縁の夫、財務担当など精緻な配役に加え、透かし入りの精巧な偽造旅券などの小道具を駆使していた。グループは過去の事件でも暗躍。案件ごとに離合集散していたとみられ、本物の弁護士も巻き込みながら、もっともらしい嘘をちりばめる巧妙な連係で、積水ハウスを架空の土地取引に誘い込んでいった。

 「明日、五反田で不動産売買に伴う現地立ち会いに同席してほしい」。関係者によると昨年5月、カミンスカス操容疑者(58)=偽造有印私文書行使容疑などで逮捕状=から東京都内の男性弁護士に電話依頼があった。強制捜査直前にフィリピンに出国したカミンスカス容疑者は偽所有者の財務担当として交渉に同席、実行グループを率いたとされる。

 当時、「小山」と名乗っていたカミンスカス容疑者と弁護士は平成27年に別の不動産取引で知り合った。不動産に非常に詳しいとの印象を抱いていた弁護士は、その正体に気づかないまま、積水ハウスとグループとの交渉に加わった。

 依頼の翌日、弁護士事務所に所有者の女性役の羽毛田(はけた)正美容疑者(63)が現れた。弁護士に「(病院での)診察を受けたいので、代わりに立ち会ってほしい」と持ちかけた。周辺住民に顔を見られ「偽者」が露呈することを警戒しての偽装工作の疑いがある。

 積水ハウスとの一部交渉では土地所有者の「内縁の夫」も登場した。役回りを演じた常世田(とこよだ)吉弘容疑者(67)は羽毛田容疑者に演技を指導、交渉の中で助け舟を出しながら監視していたとされる。

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