台風21号2カ月 大阪「丸高渡船」移転し再開

 大阪に大きな被害をもたらした台風21号の襲来から約2カ月。大阪の釣り人たちに親しまれていた「丸高渡船(まるたかとせん)」(大阪市住之江区)も桟橋などが強風で吹き飛ばされ、約1カ月営業ができなくなった。現在は移転して営業を再開したが、高田利夫会長(82)は「信じられないことばかりが起きた」とあの日を振り返った。

 丸高渡船は、南港沖の釣り場などまで小型船で釣り客を運ぶ渡船業として、ニュートラム南港東駅から徒歩約5分の大和川河口付近で40年近く営業していたという。

 しかし、9月4日に近畿に上陸した台風21号の強風は船をつける長さ約10メートルの桟橋をはじめ、ロッカーなどの設備もすべて吹き飛ばした。高田会長は「台風後に現場を確認したら、何もかもなくなっていた。こんなことは初めて。被害総額は4千万~5千万円ぐらいになる」と話す。

 台風の接近情報を得て、台船などは南港のフェリーターミナルに避難させたが、それでも他の船と衝突するなどの被害を受けた。小型ボート2隻も風にあおられて転覆、自家用車なども高潮で水につかってしまったという。大阪に甚大な被害を与えた昭和25年のジェーン台風や36年の第2室戸台風も経験している高田会長だが、「今回の台風は、それの比ではなかった」と振り返る。

 壊滅的な被害を受けて、もともと「予備の場所」として確保していた、西へ約1・5キロ離れた地に移転することにしたが、こちらも台風21号の強風で建てていたプレハブなどが吹き飛んでいたという。

 営業再開後、平日で100人強、週末には数百人の釣り客が戻ってきたといい、「台船が残っていただけでもありがたい。この商売は自然との戦い。こんな被害でしょぼくれていたら商売はできない」と高田会長は前向きに話した。

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