福島第1原発事故 3被告、津波認識の正当性主張

 東京電力福島第1原発事故をめぐる刑事裁判では、旧経営陣3被告への被告人質問のほか、部下や専門家ら計21人への証人尋問が行われた。「巨大津波が襲来する」との試算をどう評価したかが焦点となったが、3被告と証人の説明に食い違いもあり、東京地裁の判断が注目される。

 検察官役の指定弁護士側は、地震予測「長期評価」を根拠に算出された「最大15.7メートルの津波が襲来する」との試算を元に対策すれば事故は防げた、と主張してきた。

 これに対して勝俣恒久被告は被告人質問で、長期評価の信頼性は絶対的でなかったとして、直ちに対策に乗り出さなかったことの正当性を強調。試算を伝えた担当部長(当時)の口ぶりも「懐疑的だった」ことなどから、担当部署に精査を任せていたと説明した。

 武藤栄被告は平成20年7月、長期評価の妥当性の検討を外部に委ねるよう指示。これが対策の「先送り」にあたると主張する指定弁護士側の指摘について、「大変心外」といらだちを見せた。武黒一郎被告も、試算は「切迫性を感じさせるものではなかった」と振り返った。

 一方、試算を被告らに報告した社員らは、長期評価を「対策に取り入れざるを得ないと思っていた」と証言。このうち1人は、武藤被告の指示を「対策の保留」と受け止め、「予想外の結論だった」と語った。

 指定弁護士側は論告でこうした部下らの証言を引用しながら、3被告の過失を追及した。

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