ゴーン容疑者出廷詳報(2)裁判官「罪証隠滅の恐れあり」勾留理由を説明

 《被疑事実の要旨の読み上げが続く。東京地検特捜部がゴーン容疑者の3度目の逮捕に踏み切った容疑は会社法の特別背任だった。内容は2つあり、第1は20年10月、新生銀行と契約した通貨のデリバティブ(金融派生商品)取引(スワップ取引)で生じた約18億5000万円の評価損を日産に付け替えたというもの。当時、リーマン・ショックによる損失の拡大で銀行側から約10億円前後の追加担保を求められたゴーン容疑者の窮地を救ったのが、サウジアラビアの実業家、ハリド・ジュファリ氏だった。第2は、そのジュファリ氏が経営する会社に21~24年、日産子会社「中東日産」(アラブ首長国連邦)から計1470万ドル(現在のレートで約16億円)を入金させたという疑いだった》

 《多田裁判官はゴーン容疑者の勾留が必要な理由について、述べ始めた》

 裁判官「被疑者の関係者や日産関係者らへの働きかけにより、罪証隠滅の恐れがあると認められる。また、本件事実の内容から海外への逃亡の恐れがあるため、勾留の必要性があることが認められる」

 《女性通訳人がゆっくりと英語に訳していく。弁護人が勾留理由の具体的内容の説明を裁判官に求める手続きに入った》

 裁判官「弁護人から求釈明があるようですが」

 弁護人「はい、求釈明を申し上げます」

 弁護人「第1事実については新生銀行関係者の供述によると、スワップ取引の当事者を変更する契約締結が日産取締役会に提案された際、『no cost for the company』との記載に基づいて行われた。そのため、仮に差損の支払いが生じても、ゴーン容疑者が日産に同額を支払うことが日産、容疑者、新生銀行の3者間で合意されていたことが明らかである」

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