「アイ アム イノセント」ゴーン容疑者、熱弁10分

 会社法の特別背任容疑で再逮捕され、8日の東京地裁の勾留理由開示の手続きで法廷に立った日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)は「I am innocent(私は無実だ)」と力強く言い切った。1カ月半余りにわたる勾留生活の影響からか、やつれた印象だが、「カリスマ経営者」らしく日産の業績をV字回復させた自負をにじませ、10分間、熱弁を振るった。

 午前10時半、ダークスーツに白いワイシャツ、ノーネクタイ姿で入廷したゴーン容疑者はかなりやせた印象で、頭髪に白いものが交じり、ほほや額に深いしわが刻まれていた。入廷直後は落ち着かない様子で傍聴席に度々視線を向けた。

 だが、意見陳述では鋭い眼光を裁判官に向け、法廷に響く声で語りかけた。

 「I have a genuine love(私は日産に心からの親愛を持っている)」

 開口一番、日産への思いを熱く語り始めた。「私たちの努力はめざましい成果を上げてきた。日産での成果は最も大きな人生の喜び」などと雄弁に語った。

 ゴーン容疑者は通貨のデリバティブ(金融派生商品)取引で、平成20年のリーマン・ショック後に生じた評価損の拡大により、銀行から巨額の追加投資を求められていたとされる。

 契約当事者を変更した判断について、「退職して退職金を受け取る」という厳しい選択肢も検討したとし、「重大局面で退任することはできなかった。船長が嵐の最中に船から逃げ出すようなことはできない」と述べ理解を求めた。

 従来の主張を改めて繰り返す一方、自身の実績を強調したゴーン容疑者だが、狙いはどこにあったのか。発言内容は海外で速報されるなど高い注目を集め、日本の刑事司法制度を「長期勾留」だとする批判が再び促された側面もある。

 捜査終盤での勾留理由開示請求について、ある検察幹部は「起訴後を見据えて保釈へ弾みをつけたいのだろう。裁判所の判断に圧力を加える狙いがある」と推測した。開廷前、14席の一般傍聴席を求め、1122人の希望者が列を作り、抽選倍率は約80倍に達した。

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