「『いまは加害者』と言われた」「アイドルできる場所なくなった」 NGT山口さんが卒業

 「何をしても不問なこのグループに、私がアイドルをできる居場所はなくなってしまいました」。新潟を拠点に活動するアイドルグループ「NGT48」が21日、NGT48劇場(新潟市中央区)で開いた公演で、暴行被害に遭った山口真帆さん(23)は卒業の理由を説明した。約2時間の公演を終え、長谷川玲奈さん、菅原りこさんが舞台の上で卒業を発表した直後だった。

 「ちょっと待ってください」。卒業をほのめかすメールを有料会員に発信したとの情報が流れてはいたが、「まさか」の展開に会場がどよめいた。「私、山口真帆はNGT48を卒業します」と涙声で宣言する山口さん。用意した手紙を取り出すと、大きく深呼吸をし、「いままで黙ってきた思いを言いたい」と読み始めた。

 「私はアイドル、そしてこのグループが好きだった。だからこそ変わってほしかったし、仲間に同じ思いをしてほしくないと、すべてを捨てる覚悟で取った行動でした」と事件をツイッターで“告発”した経緯を震える声で語った。

 運営会社「AKS」(東京都)側への不満も口にした。

 「いまは『会社を攻撃する加害者だ』とまで言われています」「『目をそらしてはいけない問題に対して、そらさないなら辞めろ』。新生NGTを始められないのがこのグループの答えでした」「正しいことをしている人が報われない世の中でも、正しいことをしている人が損をしてしまう世の中ではあってはいけないと私は思います」

 3月に開かれた運営側の記者会見の最中に「なんでうそばかりつくんでしょうか」などと反論するツイートを行った山口さんに対し、松村匠・AKS運営責任者兼取締役は「コミュニケーションをしっかり取りたい」と話していたが、状況は変わっていなかったとみられる。

 同じような被害者から「勇気や元気が出た」というメッセージが寄せられたことも紹介。ただ、卒業することで「その方たちも希望をなくしてしまったのではないか。申し訳ない思いでいっぱいです」とわびた。

 「この環境を変えなければ、また同じことが繰り返されると思い、きょうまでずっと耐えて最善を尽くしましたが、私にできたことはほんの少しでした」と事件発生以来の約4カ月間を振り返り、「いまの私にNGT48のためにできることは卒業しかありません」と言い切った。

 さらに、「NGT48にならなきゃよかったと思うこともあった」と心情を吐露。しかし、21日の公演でメンバーと同じ舞台に立ち、ファンの声援を受けたことで「みんなと出会えたことが幸せ。NGT48になってよかった」と思い直したという。

 ファンに対しては「このような形で卒業することになってしまい、本当に申し訳ありません」と謝罪。5月5、6日に最後となる握手会に参加することを明らかにし、「そこでは一緒に夢の話をしましょう」と笑顔で呼びかけた。

 卒業公演は5月18日。「ステージで夢に向かって歩いていく姿をみなさんに見せられることができたらうれしい」と抱負を語った。

 「これからの人生、まっすぐ生きて、笑顔で笑っていてほしい」。メンバーとファンに言葉を贈り、「あと少しの間ですが、どうぞよろしくお願いします」と締めくくった。約8分に及んだ“卒業論文”に、ファンから拍手が送られた。

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