システム、ブレーキ正常作動も衝突防げず 京急踏切事故

 横浜市神奈川区の京急線の踏切で下り快特電車がトラックと衝突し、トラック運転手が死亡、多数の乗客が負傷した事故で、京浜急行の安全システムは正常に作動し、男性運転士(28)も危険を把握して急ブレーキをかけたものの衝突を防げなかったことが6日、同社への取材で分かった。

 現場の踏切は、約1キロまで電車が近づくと警報が鳴り遮断機が下り始める。同時にレーザー式の「障害物検知装置」が作動。踏切内に高さ30センチ以上の障害物があれば、線路沿いの緊急用信号が赤く光る。運行規則で、運転士は発光を確認したら減速し、踏切前で安全に停止する決まりだ。

 この信号は現場の踏切から10メートル、130メートル、340メートル離れた線路沿いに設置され、運転士は発光の有無を確認。340メートル離れた信号は、さらに260メートル先から目視でき、運転士は踏切から最大600メートル離れた地点で危険を把握できる。

 トラックは警報が鳴った時点で踏切内で立ち往生しており、京急は検知装置が早期に発動、信号も発光したとみている。運転士は340メートル離れた信号の発光を確認し「急ブレーキをかけた」と説明。営業運転の最高時速120キロで走行していたが、京急はブレーキを適切にかければ、踏切の手前で止まれるはずだったとしているが、ブレーキは間に間に合わず衝突した。運転士がどの地点で発光を確認したかは不明で、京急は調査を進める。ブレーキに異常は確認されていない。

 各私鉄やJR東日本などは、危険を検知する装置と自動列車制御装置(ATC)が連動し列車のブレーキが自動でかかるシステムを導入しているが、京急本線では運転士が手動ブレーキをかけるシステムだ。

 一方、事故前、現場近くを通りかかった京急社員2人が衝突したトラックの男性運転手と会話していたことが判明。踏切と反対側の道路へ左折するため社員に後方確認を頼んでいた。男性が左折を諦めたため、2人は現場を離れようとしたが、直後に警報が鳴った踏切内へトラックが入り立ち往生しているのに気付き、踏切に設置された非常ボタンを押した。事故後には経緯を上司に報告していた。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ