台風19号 水没の北陸新幹線、1~2週間後に全線復旧見込み

 台風19号による千(ち)曲(くま)川の堤防決壊でJR東日本の「長野新幹線車両センター」(長野市赤沼)の車両基地が浸水、北陸新幹線の車両120両が水没した。水没車両が運用する全車両の3分の1にあたり、修理には大幅な機器交換などが必須。北陸新幹線の全線再開は少なくとも1~2週間かかる見通しだが、仮に復旧しても運転本数は5~6割にとどまる見通しだ。

 当初、湖のようになっていた現場は15日には水が引き、作業員らが浸水後、初めて被害状況の確認を行った。JR東の担当者は「なぜ、こうなったのか分からない」とこぼした。

 高崎(群馬県高崎市)-金沢(金沢市)間を結ぶ北陸新幹線は、高崎-上越妙高(新潟県上越市)間がJR東、上越妙高-金沢間がJR西日本の管轄。1編成12両の計30編成(360両)を運用している。

 基地はJR長野駅の北東約10キロ、氾濫した千曲川からは西に約1キロ離れた場所にあり、営業運転を終えた車両を収容、検査などを行っている。当時は両社保有の車両が1編成12両ずつ、計10編成止められていた。

 千曲川から基地までの間には新幹線の線路や田んぼ、民家が並ぶ。鉄道評論家の川島令三氏は、「実際に見たことがあるが、川からあそこまで水が来るとは考えられなかった」と驚くが、長野市のハザードマップでは洪水時の基地付近の浸水を「最大10メートル以上」と予想していた。

 車両は、急勾配区間を安定して走行できるブレーキや、豪雪地帯を走るため床下に雪除けのカバーも備える。JR西の平成27年3月期の有価証券報告書によると、120両の製造費用は約328億円。JR東も「製造費は1両当たり3億円程度」としている。

 今回、車両は床下からかなりの高さまで水につかった。床下にはブレーキや空調を制御する装置や変圧器といった重要機器が搭載されており、機器の基板か機器自体の交換が必要になるとみられる。室内に水が入り込んでいれば座席の交換なども必要になるが、浸水したセンターでの作業は難しく、別の基地まで車両を牽(けん)引(いん)する可能性もある。

 北陸新幹線は現在、長野(長野市)-上越妙高間で運転を見合わせている。JR東によると、線路が冠水し信号装置に被害が確認された箇所があり、全線再開まで少なくとも1~2週間かかるという。

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