台風19号「正月までに仮設住宅で生活を」 保科郷雄・宮城県丸森町長インタビュー

 各地に大きな被害をもたらした台風19号は上陸してから12日で1カ月が経過した。台風19号で多くの犠牲者が出た宮城県丸森町の保科郷雄町長(69)が産経新聞の取材に応じ、今後の台風対策として排水ポンプの増強や、課題点を検証する委員会の発足を検討していることを明らかにした。

 〈丸森町では現在も200人以上の町民が避難所生活を余儀なくされている。復旧対策は長期化が見込まれるだけに、仮設住宅の整備は喫緊の課題だ〉

 「仮設住宅入居の希望調査を行ったところ約240世帯の希望があった。県には年内に仮設住宅を構えることができるよう申請している。正月までに少しでも多くの町民が仮設住宅で生活できるよう対応していく。広くて平らな土地に限りがあるので分散する状況になる。(罹災=りさい=証明で大規模・半壊以上の被災者に支援金が給付される)被災者生活再建支援制度の拡充も国に要望していきたい」

 〈今回の台風によって排出された災害廃棄物は、町の年間排出量の6倍以上の約1万9000トンに及ぶ。災害廃棄物の処理については、国をはじめ支援を広く呼びかけている〉

 「やはり一自治体での対応では厳しい部分もある。県、環境省にお願いをしながら進めていかざるを得ない。(現在停止している角田市の)『旧角田衛生センター』の再稼働という話も出てきている。国の財政的な支援があれば再稼働した方が災害廃棄物の処理は速く進むので、再稼働してほしいという思いはある」

 〈台風19号では役場周辺が浸水し、行政としての機能が停止した。今後、同様の災害による被害を防ぐ対策が求められている〉

 「これまでは阿武隈川の氾濫を想定したハザードマップは作成していたが、支流の氾濫は想定していなかった。今後、こうした豪雨災害はまた発生する可能性があるので、町民の安全な生活を守るためには排水ポンプの増強が必要だ。庁舎はまだ古い建物でもないので、町民の理解を得るということを考えても、別のところに移すということは現実的ではない」

 〈台風19号の教訓を生かそうと、防災対策を検証するための委員会発足も視野に入れている〉

 「(被害検証のための)委員会の立ち上げの必要性を含めた中で、二度とこうしたことが起こらないような対策を取らなくてはならない。委員会の発足も庁舎内で検討しながら、進めていきたい。しっかりと国、県の指導を仰ぎながら、今後町民が安心して暮らしていけるための業務を遂行していきたい」(塔野岡剛)

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