相模原45人殺傷初公判 「甲A」「乙B」…異例の匿名審理

 障害者施設「津久井やまゆり園」で平成28年、入所者ら45人が殺傷された事件をめぐり横浜地裁で8日開かれた、殺人罪などに問われた元職員、植松聖被告(29)の初公判では、個人の特定につながる情報を伏せる「被害者特定事項秘匿制度」が適用された。

 「秘匿決定しています。1名を除き氏名などは明らかにしません」。今回の公判の冒頭手続きで、青沼潔裁判長はこう述べた。

 実名での審理を望んだ1人を除き、死亡者は「甲」、けが人は「乙」などと分類され、アルファベットが割り振られた。検察側はこの呼称に基づき、「甲Aほか42名を突き刺すなどし…」「乙Aほか23名に傷害を負わせた」などと、起訴状を読み上げた。

 こうした異例の措置について、裁判所側は「被害者の多くが匿名での審理を望んだため」と説明。法廷では、被害者参加制度を利用し傍聴した遺族や被害者らの姿が他の傍聴者や被告から見えないよう、傍聴席の3分の1程度が間仕切りで遮蔽(しゃへい)された。

 今回の裁判所の判断について、知的障害の子供を持つ親の会「全国知的障害者施設家族会連合会」(神戸市)の由岐(ゆき)透理事長は、「被害者の間で実名か匿名か、意見がまとまらないのは理解できる」としつつ、「社会にはいまだに障害者への根強い差別感情がある。今回、司法がこういう決定をしたことで、差別意識を助長することにならないか心配だ」と語った。

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