相模原殺傷 首刺されながら通報手助け「偉かったな」 入所者の46歳男性

 首や腹を刺されて気絶したはずの息子は、警察への通報に貢献していた。津久井やまゆり園の入所者の尾野一矢さん(46)が重傷を負いながら男性職員を手助けしていたことが10日の公判で判明した。父の剛志さん(76)は閉廷後、「知らなかった。法廷で妻と一緒にボロボロと涙を流した。『偉かったな』と褒めてやりたい」とかみしめるように話した。

 検察側が明らかにしたこの職員の供述調書によると、一矢さんは居室で刺された後、廊下で拘束されていた職員に近づいていった。指示を受けてリビングルームに携帯電話を取りに行き、戻ってきて渡すと、職員が110番通報した。

 重度の自閉症である一矢さんは、会話が困難という。現在は横浜市内にある仮移転先の施設で暮らし、週に1度の家族との昼食が楽しみ。重度訪問介護制度を利用した1人暮らしに向けて、準備を進めている。

 剛志さんは公判で初めて真実を知った。「けがを負い、気絶していたと思っていた。次に会う時には『痛みをこらえながらよく頑張ったな』と伝えたい」と力強く語った。

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