京アニ事件犠牲のアニメーターが残した絵本、ゆかりの地で読み継がれる

 読み聞かせのイベントも大勢の親子が集まり盛況だった。朗読を担当した元教師の石田初恵さん(75)は、聞いていた大村さんに「キャラクターの気持ちになって読んでくれてありがとう」と感謝を告げられたことを覚えている。

 大村さんは大学卒業後の昨年春、京アニに入社。アニメーターとしての第一歩を踏み出した直後、事件は起こった。深沢さんは新聞で大村さんの顔写真と名前を見つけた。「京アニに就職したことは知らなかった。掲載されていなければ気付けなかった」

 事件後の昨年10月、大村さんの遺族と大学側の了承を得て、深沢さんは絵本を町立図書館に展示した。

 「これが遺作になってしまうなんて。生きていればもっと活躍してくれたと思う」と、石田さんは悔やむ。「若い人に町の魅力を伝えるのに活用したい。この作品を多くの人に読んでほしい」と話す。深沢さんは「絵本がつないでくれた縁だと思う。今後も大切に読み継いでいきたい」と誓った。

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