沢尻エリカ被告判決詳報(下)裁判官「再犯に陥ることのないように」

 《自宅マンションで合成麻薬MDMAなどを所持したとして麻薬取締法違反の罪に問われた女優、沢尻エリカ被告(33)の東京地裁での判決公判。懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)を言い渡した滝岡俊文裁判官による量刑理由の読み上げが続いている。沢尻被告は時折、小刻みにうなずきながら、裁判官の言葉に耳を傾けていた》

 裁判官「被告人の刑事責任を軽く見ることはできない。もっとも、被告人は罪を認めて反省の態度を示し、保釈中に入院治療を受けたほか、今後も通院を続けるなどして更生する姿勢を明らかにした。前科もない。証人として出廷した主治医、兄も更生への支援を申し出ている」

 《そして、滝岡裁判官はこう述べた》

 裁判官「そこで、同種事案の量刑傾向も踏まえ、被告人に対しては、今回に限り、社会内で自力更生の機会を認めるのが相当であると判断し、主文の通り、刑の量定をしました」

 《量刑理由の読み上げが終わった》

 裁判官「執行猶予について、さらに説明を加えておきます。ただちに刑務所に入るということではありません。社会の中で様子を見守っていくことになります。3年間で何か事件を起こし、禁錮以上の刑を受けてしまうと今回の(懲役)1年6月も合わせて服役することになります」

 《さらに裁判官は、執行猶予期間の3年間が経過した後も、また同様の薬物事件を起こせば、次は実刑判決になる可能性が高くなるとの説明をした上で、こう諭した》

 裁判官「今後は一人の社会人として、信頼されるよう努めてほしいと思います。さまざまな方面から信頼を失ったのではないかと思います。もっとも、事件の背景には、女優として真剣に取り組む前提として、他人を思いやるという、社会人として備えるべき心構えが十分でなかったように思います」

 《判決後の説諭は、沢尻被告に「社会人としての心構えが不十分だ」と指摘する厳しい内容から始まった。沢尻被告はうなずきながら、裁判官の言葉をかみしめるように聞いている》

 裁判官「失われた信頼を取り戻すのは難しいと思いますが、心構えを意識して身につけ、一人の社会人として、年齢相応の信頼をされるよう努力してほしいです」

 《沢尻被告は平成17年の映画「パッチギ!」のヒロイン役で新人賞を総なめにし、同年のテレビドラマ「1リットルの涙」も話題を集めた。歌手としても活躍。一方で19年には主演映画の舞台あいさつで「別に…」を繰り返し、バッシング騒動に発展した。そんな沢尻被告も33歳。滝岡裁判官は念を押すように、こう続けた》

 裁判官「もう一つは再犯のリスクが高いということです。執行猶予の判決を受けたのに、また同じような犯罪で再犯するのは珍しくありません。沢尻被告の反省や更生への意欲に嘘はないと信じていますが、再犯に陥ることのないように、医療機関や周囲のサポートを受けて慎重に更生に取り組んでもらいたいと思います」

 《裁判官の言葉は、沢尻被告の胸にどこまで響いただろうか》

 裁判官「それでは被告人の席に戻ってください」

 《証言台に立って判決と説諭を聞いていた沢尻被告が席に戻る。すべてが終わり、ほっとしたのだろうか。沢尻被告の顔の表情が柔らかくなったように見えた》

 裁判官「被告人から退出してください」

 《閉廷し、傍聴人や検察官より先に沢尻被告が法廷を後にする。法廷を出る際、振り返って法廷全体に深く一礼した。そしてさらに、自分に何かを言い聞かせるように軽くうなずき、退廷した》=終わり

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