西日本豪雨2年 ギャラリー水没、堤防増強で庭を縮小 それでも愛着ある土地で暮らす

 親族宅へ無事避難した後、自宅へ戻ったのは同日午後3時ごろ。水は引いていたが室内は無残だった。フェルトや織物の作家だった堀田さんが平成12年に開いた1階のギャラリーは、大きな窓から肱川越しに大洲市のシンボル「冨士山(とみすやま)」が見える理想的な場所だ。柱には保管していたクリの木材を使用するなどこだわった。

 ギャラリーでは年に7、8回、県内外の作家の展示会を開いており、被災時は陶器と金属の作品展が始まったばかり。作品は水につかったが、「災害といえども、私の責任」と全て買い取った。1階には堀田さんの部屋があり、家具の全部と海外で買った思い出の書籍もすべて廃棄した。

 友人やボランティアらの手助け、国や市の支援もあり、ギャラリーは30年9月に再開。ただ、今春は新型コロナウイルスの感染拡大で、9日間予定していた展示会を2日間に短縮した。

 周辺の復興も進む中、洪水対策として近くの堤防の改修が決まった。バラが咲き、ピザ窯を据え付けた庭では、音楽コンサートや講演会などのイベントを開いていたが、できなくなる見込みだという。

 その状況は淡々と受け入れている。「水が来ても愛着がありますからね。土手が高くなるとどういう景色になるんでしょうかね」。お気に入りの窓際に座り、堀田さんは静かに話した。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ