よみがえれ思い出の1枚 写真洗浄ボランティア、真備から全国へ

 きれいな写真を見て元気になって-。西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真(ま)備(び)町での災害ボランティア経験者らが、地元に戻ってからも町民から預かった写真の洗浄活動を続けている。水や泥で傷んだ写真を丁寧に洗い、大切な家族や自宅を失った被災者に思い出の一枚を届けている。(桑村朋)

 「まだ顔が写っている。きれいにして返そう」

 6月28日、大阪市東住吉区のカフェで開かれた「写真洗浄会」。参加したのは大阪の市民ら約10人。ゴム手袋を着用し、傷みの激しい写真の洗浄方法を相談しながら、ウエットティッシュなどで汚れを丁寧にふき取っていた。

 友人との宴会、家族だんらん、旅先でのピース…。水害で傷んでいるが、人間模様が伝わってくる写真ばかり。参加した会社員、井手貴広さん(33)=堺市=は真備町で支援活動に携わった一人。「情景を思い出せるのが写真の良さ。きれいな思い出の一枚を届けたい」と張り切る。

 主催するのは、同町の災害ボランティアだった田中睦美さん(39)と篠原佳代子さん(54)=いずれも大阪市。現地で写真洗浄活動に参加した縁で、「大阪でもできる支援を」と昨年6月に始めた。毎週日曜に開いている。

 同町で写真洗浄を行う団体「あらいぐま岡山」が写真を預かり、乾燥させてアルバムに引っ付いた写真を取り出す。その後、大阪側が洗浄から仕上げまでを行い、アルバムにして被災者に返す仕組みだ。

 「人の顔や自宅の中、周りの風景。わずかな要素でも一定の鮮明さがあれば大丈夫」と篠原さん。不鮮明な写真は、寺の住職による「たき上げ供養」で成仏させるが、少しでも修復できないか検討するという。

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