九州豪雨 被害甚大、次第に明らかに 週末再び大雨も 二次被害を警戒

 梅雨前線の影響で広い範囲を襲った豪雨は8日未明までに峠を越え、九州北部などの被害状況が次第に明らかになってきた。筑後地域を中心に被害が広がった福岡県では、判明しているだけで家屋被害は700件を超えるが、いまだ被害状況を把握できていない自治体もある。週末には再び大雨となる可能性があり、二次被害の防止へ警戒が続いている。(九州総局 小沢慶太)

 福岡県によると、8日午後3時現在で県内の家屋被害は783件に上る。そのうち八女市などで32件が床上浸水、筑後川近くの地域で住宅浸水が相次いだ久留米市などで750件が床下浸水だった。ただ、2人が亡くなるなど被害の大きい大牟田市と、みやま市は現在も被害状況を調査中で、今後さらに件数が膨らむ可能性が高い。

 大分県によると、県内では同日午後3時現在、住宅被害が10件あり、由布市、竹田市、九重町の計4棟は全壊。浸水被害は63件で、日田市などでは件数が判明していない。佐賀県では住宅の全壊が1件、浸水被害が41件、長崎県では10件の住宅被害があった。

 損壊や冠水などの道路被害は福岡県で248件、大分県で163件、長崎県で24件。がけ崩れなどの土砂災害も福岡県で59件、大分県で6件、長崎県で31件あった。大分県九重町でJR久大線の橋が流されるなど交通インフラへの影響も出ている。

 国土交通省は8日早朝までに、九州7県で球磨川や筑後川など9河川の氾濫を確認したとしている。大分県では、由布市の大分川や日田市の筑後川などが氾濫し、住宅が流される被害が出た。

 店舗や工場などの浸水被害も相次いでいる。福岡県には8日午前9時現在、52の事業所から被害報告が上がっている。トヨタ自動車九州は、同県の北九州、宮若両市と苅田町にある3工場を6日午後9時から7日まで稼働停止にした。ダイハツ九州も同県久留米市と大分県中津市の工場を6、7両日の午後に稼働を停止した。

 農業被害も深刻となりそうだ。長崎県では農地や農業用施設の被害が計194件確認されている。福岡県では久留米市、朝倉市、みやま市などで水田やハウス施設の冠水が相次いでいるが、全容は判明していない。同県農林水産部は「筑後川水系の広範囲に被害が及んでいる。水深が1メートルを超えるところも目立ち、浸水時間も長時間にわたっている」と危惧する。

 気象庁によると、梅雨前線は9日ごろにかけて西日本から東北に停滞する見込み。福岡管区気象台は、10~12日にかけて再び大雨となる可能性があるとして警戒を呼び掛ける。

 福岡県の小川洋知事は8日午前、県災害対策本部会議で「二次被害が起こらないようにしっかりと応急対応していく必要がある。被災者が一日も早く元の生活に戻れるよう全力を挙げていく」と述べた。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ