九州豪雨で奮闘する自衛隊員 本来の任務である国防に影響を及ぼさない配慮も必要

【ニッポン放送・飯田浩司のそこまで言うか!】

 先週1週間、日本列島を襲い続けた「令和2年7月豪雨」にも自衛隊が災害派遣されています。もはや夏には列島のどこかで集中豪雨があり、そこに災害派遣された自衛官の姿があるというのが当たり前の光景です。

 とはいえ、災害にはそれぞれ特徴があり、関係者に話を聞くと、今回は「レベルの高い応用編」なんだそうです。

 九州南部、熊本、鹿児島両県では3日から断続的に大雨が降り続き、気象庁は4日午前4時50分、両県としては初となる大雨特別警報を発令。熊本県南部を流れる球磨川が氾濫し、人吉、八代両市や、球磨村などで冠水や土砂崩れが相次いだことから、熊本県の蒲島郁夫知事は同5時36分、自衛隊に災害派遣要請を行いました。

 これを受け、防衛省・自衛隊は1万人体制で人命救助・行方不明者捜索・道路啓開(=土砂やがれきで塞がれた道路を切り開く作業)・物資輸送に当たります。

 いずれも、自衛隊の持つ重機や車両が実力を発揮する場面ですが、独特の地形が立ちはだかりました。この辺りは、八代市を入口、人吉市を出口とする山間地域で、出入り口は谷あいの道で非常に狭い。この狭い道が各地で寸断されてゆく手を阻み、啓開に当たる重機が入れない。あるいは、数が限られる。彼らの言葉を借りれば、「正面が限定される」という状況だったそうです。

 道路啓開に時間がかかる一方、孤立集落には一刻も早く物資を運ばなくてはなりません。道なき道を物資を担いで運ぶ人海戦術。平地なら道路啓開や人命救助に人員を割き、物資輸送は車両を用いるのがセオリーですが、配置を逆転させる必要に迫られたのです。

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