故郷の復興支え合って 熊本・球磨、祖父亡くした村職員奔走

 その美しい自然が突然、牙をむいた。村職員として渡地区が最大10メートルの浸水想定区域であることは知っていた。昨年からは地域で順次、自主防災組織が立ち上がり、水害対策の取り組みが本格的に始まろうとしていた矢先だった。「いつか来るだろうとは思っていた。でも、こんなに早くその時が来るなんて」

 現在は家族とともに避難生活を送る身だ。村外に避難した村民らは「もう村には住まん」と口にする。「果たしてどれだけの人が残ってくれるのか…。故郷はもう元の通りには戻らないかもしれない」。人口約3500人の小さな村の復興の道のりが平坦でないことは覚悟している。

 だが、村の仮設住宅の建設が決定するなど、生活再建に向けた動きも徐々に始まりつつある。

 「現実は現実として受け止めないといけない。球磨村の人間として、自分のできる限りのことをやっていく。みんなで支え合いながら故郷を復興させていきたい」。そう力を込めた。

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