短時間強雨30年で1・4倍 予測不能、都市部もリスク

 ■病院・役場の移転も

 「科学的予測に基づく備えをしなければ豪雨災害を防げない」と指摘するのは京都大学防災研究所の中北英一教授。「堤防やダムの強化も必要だが、それだけでは不十分」だと訴え、治水の考え方の見直しを求める。

 相次ぐ豪雨災害に、国土交通省は官民一体で「流域治水プロジェクト」に取り組む。全国109水系を対象に今年度、堤防強化といった従来型整備に加え、住宅の移転促進や避難行動の強化など、ハード・ソフト両面での対策を進める。

 「1本の河川で氾濫を防ぐのはもはや難しい。流域全体で水量をコントロールする必要がある」と中北氏。水害リスクの高い場所に病院や役場などを置く自治体を念頭に、「将来的な移転を考えた方がいい。災害は今後も繰り返される。都市計画の見直しも早急に進めるべきだ」と話した。

 ■低地の都市も脆弱(ぜいじゃく)

 こうしたリスクは山間部だけの話ではない。

 阪急の大阪梅田駅(大阪市北区)と十三(じゅうそう)駅(同市淀川区)近辺が最大で5メートル浸水-。

 1級河川の淀川が氾濫すれば何が起きるかについて、大阪市の水害ハザードマップは衝撃的な想定を示す。淀川により近い場所では、最大で10メートルも浸水するエリアもある。

 大阪の市街地の多くは低地にあり、水害に弱い。

 また、下水道の排水能力を超える降雨で発生する「内水氾濫」により、地下街に雨水が一気に流れ込む危険性も無視できない。大阪市は下水道について、10年に1回の大雨(1時間雨量60ミリ)でも浸水しないよう整備を進めている。大阪市危機管理室の担当者は「事前の備えが重要。平時に避難行動を決めておけば、豪雨でも落ち着いた行動ができる」としている。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ