ALS嘱託殺人、女性に視力失う症状 意思疎通手段喪失前の「安楽死」希望か

 難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の女性から依頼を受け、薬物を投与して女性を殺害したとして医師2人が京都府警に逮捕された事件で、犯行前、女性に意識や聴力がある状態で視力を失う「完全閉じ込め症候群(TLS)」の症状が出ていたことが29日、関係者への取材でわかった。女性は視線を動かすことで自らの意思を外部に伝えており、視力を失うことは意思疎通の手段がなくなることを意味している。京都府警は女性が殺人を依頼する原因につながった可能性もあるとみて慎重に調べている。

 嘱託殺人容疑で逮捕されたのは仙台市泉区の呼吸器内科医、大久保愉一(よしかず)(42)と東京都港区の泌尿器科医、山本直樹(43)の2容疑者。共謀し、ALSで寝たきり状態となっていた京都市中京区の無職、林優里さん=当時(51)=に頼まれ、昨年11月30日、女性宅で致死量の薬物を投与し、殺害したとされる。

 TLSは意識や聴覚はあるものの、目が開けられず、視力を完全に失った状態を指す。関係者によると、女性は数年前からマイトビーと呼ばれる視線入力装置を使い、意思疎通を図ったり、SNSに自身の思いを投稿したりしていた。しかし、昨年1月ごろからまばたきが難しくなり、TLSの傾向が見られ始め、症状が進行すればコミュニケーションの手段もなくなる状況だったという。

 女性は昨年10月、ツイッターに「確実に苦しくなってる 早く早く、、して」と投稿しており、意思疎通が図れるうちに「安楽死」を遂げたいという思いがあったとみられる。

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